不整脈とは、心臓の正常なリズムが乱れる状態を指します。
通常、心臓は一定のリズムで拍動しますが、不整脈が発生すると、
心拍数が速くなったり遅くなったり、あるいは不規則になることがあります。
不整脈は一時的なものから慢性的なものまで様々で、その原因や重症度によって異なります。
不整脈・ペースメーカー

不整脈とは、心臓の正常なリズムが乱れる状態を指します。
通常、心臓は一定のリズムで拍動しますが、不整脈が発生すると、
心拍数が速くなったり遅くなったり、あるいは不規則になることがあります。
不整脈は一時的なものから慢性的なものまで様々で、その原因や重症度によって異なります。
心房細動
心房の電気活動が異常に速いため収縮できず、心室は不規則に収縮する状態
心室頻拍
心室が速く拍動する状態
徐脈
心拍数が異常に遅くなる状態
期外収縮
通常の心拍に割り込む形で発生する不規則な拍動
不整脈は無症状の場合もありますが、動悸、めまい、息切れ、失神などの症状が現れることもあります。
診断には12誘導心電図(ECG)やホルター心電図などが用いられます。
不整脈の原因は多岐にわたりますが、大きく分けると心臓の構造的な問題と生活習慣や環境要因に分類されます。
先天性心疾患
生まれつき心臓の構造に問題がある場合、不整脈のリスクが高まります。
心筋梗塞
心筋の一部が壊死することで、心臓の電気的な活動が乱れることがあります。
心筋症
心筋の異常な肥大などの構造的変化で、不整脈を引き起こすことがあります。
高血圧症
血圧が高い状態が続くと、心臓に負担がかかり、不整脈のリスクが高まることがあります。
喫煙
タバコの成分が心臓や血管に悪影響を与え、不整脈のリスクを増加させます。
飲酒
アルコールの過剰摂取は心拍数を変動させ、不整脈を誘発することがあります。
ストレス
精神的なストレスや過労は、交感神経の働きを亢進させ、不整脈のリスクを高めます。
カフェインやその他の刺激物
過剰なカフェイン摂取は、心拍数を上げ、不整脈の原因となることがあります。
これらの要因が重なることで、不整脈のリスクはさらに高まります。
特に生活習慣は見直すことでリスクを減らすことが可能です。
不整脈の症状は、軽度から重度まで様々です。
以下に、不整脈に関連する一般的な症状を挙げます。
動悸
心拍数が急に速くなったり、胸がドキドキする感覚がある状態であり、
心房細動や心房・心室頻拍などの不整脈で見られることがあります。
胸痛
心拍数の異常により、胸に痛みや圧迫感を感じることがあります。
この症状は狭心症と関連することもあります。
息切れ
不整脈によって心拍出量が低下することで、呼吸が浅くなり、息切れを感じることがあります。
特に身体活動中に顕著になることが多いです。
めまい・失神
心拍数が遅すぎて途絶えたり、逆に速くなりすぎると、
脳への血流が一時的に減少し、めまいやふらつきを感じることがあります。
極端な場合、不整脈が原因で意識を失うことがあります。
疲労感
心臓が正常に機能しないことで、全身に十分な血液が供給されず、
慢性的な疲労感を感じることがあります。
これらの症状が現れた場合、速やかに医療機関を受診することが重要です。
特に失神や胸痛が頻繁に発生する場合は、緊急の対応が必要となることがあります。
不整脈の診断には、いくつかの検査方法があります。
これらの検査は、心臓の電気的活動を記録し、異常を特定するために用いられます。
12誘導心電図(ECG)
心電図は、心臓の電気的な活動を測定する基本的な検査です。
電極を胸や手足に取り付けて、心拍のリズムや速さを記録します。
短時間の検査で不整脈を確認できることがありますが、
発作的な不整脈を捉えるためには追加の検査が必要な場合があります。
ホルター心電図
ホルター心電図は、
24時間から48時間にわたって心電図を連続的に記録するポータブル装置であり、
日常生活を送りながら心臓のリズムを記録します。
不整脈の発生頻度やタイミングを把握したり、不整脈を疑う症状を同定するのに役立ちます。
イベントレコーダー
イベントレコーダーは、症状が現れたときに心電図を記録するための携帯型デバイスです。
患者様が症状を感じた際に装置を作動させることで、その瞬間の心電図を記録できます。
運動負荷試験(ストレステスト)
運動負荷試験は、運動中の心臓の反応を観察する検査です。
トレッドミルやエルゴメーターを使って運動を行いながら心電図を記録し、
運動が不整脈に与える影響を確認します。
心エコー(心臓超音波検査)
心エコーは、超音波を用いて心臓の構造や機能を評価する検査です。
心臓の形態や動き、血流の状態を詳細に確認できるため、
不整脈の原因となる構造的な問題を特定するのに役立ちます。
電気生理学的検査(EPS)
EPSは、心臓内に電極カテーテルを挿入して心臓の電気的活動を詳細に調べる侵襲的な検査です。
この検査は、特定の不整脈の原因や発生部位を正確に特定するために行われます。
これらの検査を組み合わせることで、不整脈の種類や原因を特定し、最適な治療法を選択するための情報を得ることができます。
不整脈の治療は、その種類や重症度、患者様の全体的な健康状態に応じて異なります。
以下に主な治療方法を紹介します。
抗不整脈薬
心拍数を調整し、不整脈の発生を抑える薬です。
抗凝固薬
心房細動の患者様に対して血栓の形成を防ぎ、脳梗塞などのリスクを低減します。
カテーテルアブレーション
細いカテーテルを心臓内に挿入し、問題のある心筋を焼灼する方法です。
特に発作性心房細動や心房・心室頻拍に効果的です。
ペースメーカー
心拍が遅くなる徐脈に対して植え込み、正常な心拍数を維持します。
植込み型除細動器(ICD)
心停止のリスクが高い場合、ICDを植え込み、
生命を脅かす不整脈が発生した際に自動的に電気ショックを与えます。
食事
バランスの取れた食事を心がけ、
塩分や脂肪分の多い食品、カフェインやアルコールの摂取を制限します。
運動
適度な運動を続けることが推奨されます。
禁煙
タバコは心臓や血管に悪影響を及ぼすため、禁煙が強く推奨されます。
飲酒管理
過度の飲酒を避け、アルコール摂取を控えめにします。
ストレス管理
リラクゼーション法や趣味を取り入れてストレスを適切に管理します。

心臓は4つの部屋(左心房、右心房、左心室、右心室)からなり、
電気信号によって全身に血液を送り出すポンプ機能を担っています。
洞結節(どうけっせつ)というところから電気信号を発生し、
心房を通って房室結節(ぼうしつけっせつ)、
ヒス束、脚、プルキンエという部分に伝わっていくことで心室が収縮を行います。
脈が病的に遅くなる「徐脈(じょみゃく)」は、
この収縮にかかわる「洞結節」と「房室結節」に異常が起こることが原因と考えられています。
洞結節の疾患である洞不全症候群は、右心房の洞結節の細胞に異常が生じて、
心臓を動かす電気の発生回数が極端に減少したり、発生できなくなったりします。
房室結節の異常には房室ブロックがあります。
洞結節で発生した電気は心房を収縮させると、房室結節を経由して、次に心室を収縮させます。
この房室結節の細胞が何らかの異常を起こし、電気信号が心室にうまく伝わらなくなった状態が房室ブロックです。
これらの徐脈性不整脈では、心臓の筋肉に人工的な電気信号の刺激を与えて、心収縮を発生させる必要があります。
ペースメーカーは、この目的を達成するために用いられる医療機器です。
電気パルスを発生させるペースメーカー本体は小さな金属製で、リチウム電池と電気回路が内蔵されており、重さは20g前後です。
継続的に心臓の動きをモニターし、遅い脈拍(徐脈)を検知したら、微弱な電気刺激を送って正常な脈拍を維持します。
ペースメーカーの手術は、基本的に左右いずれかの鎖骨下の前胸部分を、4~5センチ程度切開し、皮膚と筋肉の間に埋め込みます。
リードと呼ばれる電線は、血管を通して心臓内(右心房、右心室)に留置します。多くの場合、局所麻酔にて施行可能です。
リードを必要とせず、小さな電池本体のみでペースメーカーの機能を持つリードレスペースメーカーもあります。
このデバイスは、本体を皮下に埋め込むのではなく、カテーテルを用いて直接心臓内に留置します。
徐脈性不整脈は、脳や他の臓器へ送られる血液の量が減り、息切れ・めまい・眼前暗黒感(目の前が暗くなる感覚)・意識消失などの症状を引き起こします。
徐脈は加齢や動脈硬化が進んでいる方に起こりやすいといわれています。
そのほかに虚血性心疾患、高血圧症、先天性心疾患、心筋症なども原因として挙げられます。
慢性腎機能障害による電解質異常や甲状腺疾患、高血圧治療薬や精神疾患治療薬などの薬剤によって起こることもあります。
徐脈はすぐに命に関わることは少ないため、重大な自覚症状がなければ経過観察となります。
ペースメーカーによる治療が検討されるケースは次のような場合です。
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